
【2009年7月10日 第三回 動物愛護管理法を見直す会小委員会】
第三回、動物愛護管理法を見直す会小委員会が7月10日衆議院議員会館にて実施され、今回は、環境省自然環境局総務課、動物愛護管理室 室長安田直人様(※以下 安田室長)を迎えて、愛護法を見直す話し合いが行われました。

冒頭、第一回目から出席を続ける、松野頼久衆議院議員は、「現行法でもやれることがある。」と話し動物愛護管理施設や保健所に対し「全くオープンにしていない、 譲渡の環境も整っていない。いい所と悪い所がある。」と問題を指摘。いい所の例として「熊本市、岐阜県、東京の譲渡数の向上、平塚市」などの例を挙げ、改善されているセンターがある一方、全く変わっていない所もあると語りました。
さらに、「ペットショップだけでなく、1匹の命を飼うなら殺されてしまう命を繋げる方向に、動いてほしいと呼びかけている一方、自治体によっては、(収容施設)に入れてもくれない、見せてもくれないという、閉鎖的な個所もあると問題視し、これを改善するだけでも、殺処分数を減らせる。」と、語りました。
全国自治体をより開かれたものにするなど、現行法に基づいた、各地方自治体への指導を、環境省に対し、強く要求しました。

2009年6月26日環境委員会にて、木挽司衆議院議員(※以下 木挽議員)が、質問に立たれた内容を、欠席の木挽議員に代わり、藤野真紀子衆議院議員(※以下 藤野議員)が報告しました。
最初に、地方交付税から捻出された、3億5千万円のフードとワクチン代について、環境省は、21年度の動物愛護管理関係経費として、収容施設における餌代、ワクチン代に、地方交付税を充当する予定があるかどうか聞きいたところ、36道府県、5指定都市、14中核市から、その予定があると、回答を得ている。という環境省に対し、藤野議員は疑問を持ち、どこの都道府県が、実際に使っているのかという質問を、藤野議員が後日したところによると、環境省は、「よくわからない」との返答があり、
何故わからないのか?その理由を藤野議員が聞いたところによると、地方のお金と、国からの地方交付税金が、自治体の中で、統一化されてしまい、そのことから、センター側は、ワクチン代として使われていても、それが地方のお金なのか?国からのお金なのか?
環境省では把握できない現状があると回答しました。
藤野議員は環境省に対し、「大事なのは、フードとワクチン代の予算が、各地方自治体にきちっと届いているのか?再度確認できないか?」と要求しました。
さらに、予算は、フードとワクチン代のみに使われるということで、「第二回動物愛護管理法を見直す会」で指摘された、凍死する動物がいても、この地方交付税は、(※茨城県収容施設で、殺処分される前に凍死する犬猫がいることから、ボランティアでストーブを4台設置した後、収容施設が広いために、十分温まらない現状があった。さらなる増設を要望したところ、県に断られた経緯の報告がされた。)フードとワクチンの予算なので、他の用途であるストーブ代に利用はできないとの回答があったことを報告しました。

木挽議員が、環境委員会での質問として、「日本に比べて欧米諸国では殺処分するにやむを得ない事情がある場合のみ、一頭一頭に麻酔を打って苦しみを低減する方法が主流となっております。麻酔薬の吸入や注射による苦しみを低減させる方法に切り替えていくべきではないかと、私は率直に考えますが、どうでしょう吉野環境副大臣。」 との主張に、
吉野環境副大臣は、「二酸化炭素による殺処分、いわゆる窒息死なんですね。ですから、窒息というと、もう、苦しい、精神的な、犬猫に対して大変なものがあるというふうに想像しますけども、二酸化炭素にはですね、麻酔の作用がございます。これは濃度管理や施設の操作が適切に行われれば麻酔の作用があるということ、これはアメリカの獣医師会2000年に発表されたものなんですけども、その報告書においても紹介をされているところです。また、殺処分する人、職員の方々の安全、こういうものを考えると、多くの自治体で二酸化炭素による殺処分が、今行われているところです。」と回答したことに藤野議員は、納得できないという意見を持ち、
「“二酸化炭素は麻酔です。”と委員会でおっしゃった。これは、私が実際に体験してみたい。息が苦しくなるのか、本当に眠くなるのかどうか?人間が、ぎりぎりまで試してみて、本当に眠くなるのなら・・・だって動物はわからない。(見たところ)苦しんで死んでいる。」続けて、環境省に対し、「(眠くなる)らしいとかではなく、きちっとしたデータを公開する必要性がある。」と語りました。

環境省の安田室長は、「安楽死に関して、我々も課題と思っているのは事実です。今のままでいいとは思っていない。 特に、幼齢犬、老齢犬には、麻酔を併用するかたちを考えたい。でも実際にやるのは、自治体。その自治体がどれだけできるのか?ということにもなってきます。そこは慎重に相談しながら。」と話しました。しかしながら、「次の改正にむけて、大きな課題と我々も把握しています。」と語りました。
一方、「環境大臣の前で、こうした話ができたことに関しては、ひとつの成果」と藤野議員は語り、
木挽議員による、環境委員会での質問、解説及び報告を終えました。
リピーター問題に関しては、安田室長は、引き取り依頼書のフォームを作成しなぜ、手放さなければならないのか?という理由をはっきりと書かせる欄、入手経路の欄を書かせる様式を作り、参考に、各都道府県に配布する予定があると明かしました。
又、環境省では、取り組みの一環として、迷子・譲渡動物検索サイトを運営しており、現在、60の自治体が参加していると説明しました。
販売業者は、動物を売る時に、きちっと説明しないといけない。
それがどれだけ実効性のあるものにできるのか?そこは、法律にある部分でしっかりとやっていかないといけないと話しました。

優良家庭犬普及協会常任理事の越久田獣医師は、売る側の中には、販売目的のために説明を怠る者もおり、それにより飼い主も、飼い犬も不幸になると問題を提示しました。

「党派を超えて、社会問題として、動物愛護を捉えてほしい」と訴えたのは、動物愛護支援の会代表のマルコ・ブルーノ氏。現法の問題として、言葉のあいまいさ、ざる法といわれる法律をどう絞められるのか?議論していきたいと話しました。
さらに、「法律を作るのには時間がかかる。でもその間にも動物は殺されています。あまり待っている場合ではない」そして、「改正しなくても改善できることは山ほどあります。」と主張しました。
また、地方によって愛護に対する取り組みが全く違う事を指摘し、「命を助けるという観点から、このような差があることはおかしい」と現状を嘆きました。。
「犬を飼うと登録する時に、講習会を開く必要がある。」という提案を示しました。
なぜなら、吠え声、噛む、等、犬による苦情問題が多く、保健所の対応は大変な現状があることを説明し、「第三者に迷惑をかけない飼い方は、どういう飼い方なのか?」という指導する機会が必要と語りました。例えば車でいえば、人を轢かないように、迷惑がかからないように行政が指導し講習会を開く。それを犬や猫の飼育指導として取り入れてほしいと要望しました。
さらに、道路交通法では、細かく法律が規定されているのだから、同じように、命に関わる、犯罪にも繋がる、教育にも関わる愛護法なのだから、細かく規定する必要性があると訴えました。
また、愛護法の目的部分も触れ、人が動物に対して傷つけないように、動物を守る為にあるはずなのに、なぜ、人間の財産を、動物愛護法で守らなくてはならないのか?という問題を指摘しました。
「みだりに」又は、「できる限り」などの表現は削除し、「動物を殺す場合」の具体案を提示し、虐待定義を明白にさせる必要性があると主張しました。

マルケン事務所所長の福本氏は、動物愛護と管理が、一緒になっていることで、わかりづらくなっていると指摘。動物園での大型動物など、特別動物を管理する法律と、ペットなどで飼われる動物の愛護の法律を、分ける必要性が今後あるのではないかと提案しました。
法律の目的の部分では、動物が人間に危害を加えないようにというのは、サイや、象など、特別動物に対する事。
「対象になる動物が、異なってくるということが、(複雑化している)現実ではないか」と語りました。「ゆくゆくは、愛護法と、管理法を、わけて考える必要がある」と話しました。
NPOしっぽのなかまの代表理事佐藤氏は、“愛護法第44条の罰則として、みだりに給水をやめることにより、衰弱させる等の虐待を行ったものに対し、50万円以下の罰金に処する。“という文面があるが、現状として、「鎖に繋ぎ水を与えない人はいくらでもいます。」「書かれていても、適用できなきゃ、ただの原稿とかわりない」と指摘。
また、「動物遺棄は犯罪なのに、動物センターに持ち込む人は、遺棄ではないのか?という部分がひっかかる」と問題を話しました。「地方自治体の問題を訴えたくても行政は、地方分権と話し、指導はできないと拒否されてしまっては、どうしていいのかわからない」と切実に訴えました。

運営事務局代表の藤村は、動物虐待の通報を受け、保健所が指導に向かっても、飼い主が、「これは、虐待ではない」と主張すれば、それ以上何もできないと話す職員がいた、過去の取材経験を踏まえ、「きちっと(内容を)決めないと、発見者も、行政も、皆が動けない。」と指摘。何が虐待定義か、警察も、保健所も分からなければ、実際に虐待者へ、指摘することもできない。結果、「(行政は)虐待があっても、動かない。」という議論や摩擦に発展してしまう。これでは、行政の遂行にも弊害が起こる事と話し、「次回の法改正では、虐待基準を、作っていく方向性に向いていただきたい。」と切望しました。
福本氏は、ガイドラインを作ってほしいと、同じく環境省に訴えました。
また、前回の法改正で導入された、危険動物へのマイクロチップの義務化を例に出し、「環境省は、すごく細かいマニュアルを作ってくれた。だから、今回は、虐待に関してのガイドラインを」と必要性を要望しました。環境省は、「ガイドライン作りに動いている」と話しました。
藤村は、虐待を発見した時に、まず何処に通報すればいいのかわからない現状を話し、迅速な対応ができる、窓口の一本化を訴えました。

それに対し、環境省の見解としては、まず各地方自治体に第一報を入れ、動かない場合は、警察に訴えてくださいと説明しました。
また、マルコ氏は、保健所に電話すると、動いてくれるが、現地を見て、虐待とわかっていても飼い主は、これが、適正飼育という。保健所は、かわいそうだと思う。なぜなら保健所は、指導以外は、何もできないと話し、虐待をする飼い主に、飼育の仕方を改善してくださいと訴えても、乱暴な人だと、「うるせえ」と返されてしまう。「保健所は今、難しい立場にある」と話しました。

話は、情報公開に移り、佐藤氏は、見せないセンターの問題を挙げ、「何故、公金で作られた施設なのに、見せないという権限があるのか?」と指摘しました。
せっかくメディアが、命の問題を取り上げようとしても、県が取材を拒否してしまうと現状を訴えました。「世の中に、(現状)が知られない限り、処分数を減らせず、不幸な犬は、いつまでも同じ状態のまま。(その現状を) 知っている人より、知らない人の方が多い。環境省で公開を促すことはできないのでしょうか?」という質問に対し、環境省は、各自治体の判断になるという回答になりました。陽の会PMの白塚氏は、「その判断を、統一化できないのか?」という問いに対し、環境省は、統一化については、現状ではできないと回答するに至りました。
【記事:運営事務局代表 藤村】